『パール・ハーバー』それ行けマコ岩松!

戦闘シーンはスゴいんだけどねぇ……
『ブラック・レイン』の松田優作が映画完成直後に急逝し、一体どれだけの映画ファンが悲しんだことであろうか。『ブラック・レイン』であれほどまでに鬼気迫る悪役ぶりを見せた彼のことだ。今生きているならば、ハリウッドでも重要なアクターの一人として活躍していたかもしれない。もう演技という名の芸術表現では、日本の良さを世界相手に見せつけられる俳優などいないのかもしれない。もともと感情を表すのが下手な民族だし……。
いや待て! ハリウッドで長年に渡りメジャー作品を中心に活躍している日系人俳優にして名脇役、マコ岩松を忘れていないか? そうだ。あの『パシフィック・ハイツ』で見せた隣人の嫌がらせに耐えかね家を追い出されるときの苦悶の表情。『ロボコップ3』でのワビサビをわきまえた大企業社長役。もう、マコなしに日本の良さを表現できる者など考えられない!
ということで大駄作の呼び名高い『パール・ハーバー』ついて、連合艦隊司令長官 山本五十六(テキトーな名だ)役のマコの仕事っぷりを交えながら語ってみよう。 |

レオ様を超えるか、マコ様
2001年サマーシーズンの超大作として公開された『パール・ハーバー』は、誰の目にも明らかだが『タイタニック』の成功法則をそのまま踏襲しただけの超愚作。3時間の上映時間も同じなら、大悲劇(ここでは真珠湾攻撃)を中心に登場人物の恋愛劇が繰り広げられるのも同じ。主題歌に女性ボーカルを配し、レコードでも一発当ててやろうというところまで同じである。しかし、CM業界出身のマイケル・ベイ監督の人間描写の稚拙さと、バカが最大の売りであるプロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー(ある意味頭はいいのだが)の娯楽のためなら嘘も方便主義が見事に合体し、感動作とはほど遠いものとなった。が、日本ではヒット。某映画雑誌では年間ベストのトップを獲得したから驚きだ。
私アランは当時仕事をもらっていた出版社から試写状をもらい、上映される大会場へ期待を胸に直行。冒頭、作品紹介する姉ちゃんが「この作品は東京と大阪の2回しか試写されないトップシークレットの超大作なんです!」とニコやかに言われ、この名誉ある観客に選ばれたことを心底喜んだ。しかし、3時間の長丁場の後に、自分は不名誉な観客であったことを確信し、2回しか試写しないのは作品の不出来を口コミで広げさせないためだということを知った。
物語は第二次世界大戦真っ只中の1941年が舞台。真珠湾近くの片田舎で幼いころから親友同士だったベン・アフレックとジョシュ・ハーネットはアメリカ陸軍航空隊に入隊。身体検査で知り合った看護婦ケート・ベッキンセールにアフレックが一目惚れ。付き合うことにする。ところがアフレックが戦地で死亡したとの噂が流れ、ベッキンセールは慰めてくれたハーネットにメロメロ。付き合うことにする。ところがところが実は死んでいなかったアフレックが帰ってきたからさあ大変。「ハーネットの子供を身ごもってるので、寄りは戻せないわ」とベッキンセール。アフレックとハーネットは大喧嘩……しているところへ真珠湾が日本軍によって奇襲攻撃される。協力し合って戦うアフレックとハーネットは喧嘩のことなど忘れてスッキリするが、後日の戦闘でハーネット死亡。ベッキンセールはアフレックと結婚することにする。アフレックはハーネットの子供も育てる甲斐性ある男でメデタシメデタシ。
で、こんなんで感動するか! 確かに真珠湾攻撃の40分間は凄いけど、あと2時間以上くだらない昼メロ観させられたんぢゃ、たまったもんぢゃねーよ。第一ヒロインのケート・ベッキンセールってそんなにかわいいんかよ! |

そんなにかわいいか?の
ケート・ベッキンセール

思い込みの激しい
ベン・アフレック

思い込みの激しい
ジョシュ・ハーネット

照れるベッキンセール
あ、マコ忘れてた。で、そんなどうでもいい恋愛談話の合間に我らがマコが日本軍の指揮を執りながら、真珠湾攻撃の計画を着々と進めていくシーンが挿入されるわけなんだけど。これが反日感情を煽るだけの、ただの敵役としての日本軍。画面に映るマコの口はセリフと合わず、吹き替えバレバレ。しかも棒読み。吹き替えで棒読み。日本軍の作戦基地にあるプールにはなぜか鳥居が建ち、なぜかフンドシ姿の軍人が米軍艦隊の模型を並べる。攻撃のときは必勝ハチマキでいざ出陣。
さすがに世界興行の10%を稼げる日本市場に悪いと思ったのか、草原で立ちションするアメリカ少年達に、日本人の戦闘機パイロットが「逃げろー」と優しい人間性をアピール。ってこんなんで許せるか!
マコさん、アンタ少しでも日本の心を持っているならスタッフ達にちゃんと言い聞かせてくださいよ。もっとちゃんと描けって! ねぇ、マコさん! |

『ロボコップ3』より
マコさん謝罪の図

『キング・オブ・デストロイヤー コナンPart2』より
マコさん断罪の図
もういいよマコさん。次はがんばってくださいよ。応援してますから。

ハイ〜!
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